「利益は見解、キャッシュは事実」という格言があります。利益は会計基準の選択により、ある程度操作可能ですが、キャッシュ(現金)はごまかしがきかないからです。新会計基準の導入により“キャッシュ・フロー”の重要性がより強く認識されているように、企業の経営に最も大切なことは、資金繰りです。資産が1,000億円を超える企業であっても、資金繰りがつかなければ、倒産することもありえるのです。融資担当者は、取引先企業の損益だけでなく、キャッシュ・フローの観点からも企業の評価を行い、万が一の事態を回避しなければいけません。
本書は、初版同様、図表をふんだんに用い、キャッシュ・フローをはじめて学ぶ人を対象にわかりやすくまとめた、格好の入門書です。
キャッシュ・フローが簡単にわかる
●超簡単にわかりやすくまとめた入門書
本書の最大の特長は、何よりも解説が簡単であるということです。簿記の知識がまったくない人でも、スラスラ読むことができます。最後のページをめくるころには、キャッシュ・フローのスペシャリストに近付いています。
●ふんだんに図表を用いて解説
1テーマにつき1点の図表を作成しました。キャッシュ・フロー計算書のどこを、どのように見れば資金繰りを把握できるのか? 本書はそういった要望に完全に応えます。
●18の総合ケース・スタディ
キャッシュ・フローの知識がついても、実際の現場で活用できなければ何の意味もありません。現実に即した事例を18ケース掲載しましたので、実務に即役立ちます。
(主要目次)
序 章 なぜキャッシュ・フロー分析が必要なのか
第1章 損益と資金繰りの違いを知ろう
第2章 資金繰表の各種のフォームを知ろう
第3章 資金繰表経常収支の部の内容を知ろう
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
第4章 資金繰表設備関係収支の部の内容を知ろう
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
第5章 資金繰表財務収支の部の内容を知ろう
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
第6章 資金繰表(補足情報)の内容を知ろう
第7章 資金繰表のチェック方法
第8章 資金繰表と損益計算
第9章 資金繰表とキャッシュ・フロー
第10章 予想資金繰表の作り方
第11章 資金繰表から粉飾を見抜く
第12章 キャッシュ・フロー計算書
第13章 総合ケース・スタディ
都井 清史 著
A5判・並製・224頁・平成22年2月発行