2022年以降、経済が再活性化する一方、コロナ禍でビジネスモデルが棄損しゼロゼロ融資の返済もままならない企業は少なからず存在します。こうした苦境にあえぐ企業の粉飾決算事例が散見されます。つまりゼロゼロ融資の返済ピーク到来に伴い、企業倒産の増加に加えて粉飾決算事例の増加についても備える必要があると言えます。
融資判断の要として決算書を重要視し、収益性、安全性、成長性を分析しますが、粉飾された決算書では正確な判断ができません。また、粉飾決算に手を染める企業の倒産確率は高く、信用リスク管理上も早期発見と対策が非常に重要です。
本書は、金融機関の法人担当者が粉飾決算を発見し対策をとるために必要なノウハウが身につきます。粉飾決算の具体的手口と決算書分析による見抜き方、粉飾と表裏一体の融通手形の発見ポイントまで丁寧に解説しています。
粉 飾 決 算 を 見 抜 け る 担 当 者 に !
●決算書の基礎も一から解説
粉飾決算を見抜くノウハウを手に入れるには、決算書をしっかり読めるようになることが不可欠です。決算書をしっかり読めれば経営の全てが分かる! 本書はまず決算書についてしっかり学び、粉飾決算の見抜き方までの一連の流れを丁寧に解説します。
●粉飾決算をパターン別に解説
粉飾決算には、「収益の不正計上」「費用の隠蔽」「資産・負債構成の粉飾」などがあり、代表的なパターンが存在します。こうした粉飾の手口を徹底解説。また粉飾決算に手を染めそうな企業の特徴も解説しました。本書通読により「粉飾」発見のアンテナの感度を高めることができます。
●粉飾は「苦境」のサイン
融資先が粉飾決算に手を染める背景には、経営がうまくいっていないことがあります。金融機関に要請される経営支援は早期発見がカギ。粉飾発見のノウハウを習得できれば取引先への早期経営アドバイスの実施にもつながります。
株式会社帝国データバンク編著
A5判・並製・288頁・2023年10月発行