特別企画 日銀マイナス金利政策解除後の金融環境
本銀行の金融政策決定会合により、17 年ぶりにマイナス金利政策が解除となった。金融機関としては、実際の取引を考え直す必要に迫られることもあるため、顧客への対峙に備えて、政策決定の経緯から未来の環境を見据えておきたい。今回は、マイナス金利解除の経緯から当面の金融取引への影響について解説した。
株式会社 野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト 木内 登英
特別企画1 取引先に伝えたいサイバーセキュリティ対策の「盲点」
近時、企業に対するサイバー攻撃は多様化かつ高度化し、金融機関においても例外ではない。金融機関においては、自機関への攻撃に加え、顧客の金融資産、PC やモバイル・デバイスへの攻撃、また顧客を含めたシステムユーザからの思わぬ攻撃にも備えなければならない。本稿では、サイバー攻撃の高度化と盲点、その対策について解説する。
株式会社ラック 技術統括部 第一サービスユニット 金融コンサルティングサービス部
木曽田 優/滝澤 悦之
特別企画2 60代以上の顧客へのポジティブな金融サービス対応
個人金融資産(23 年12 月末)は2141 兆円、過去最高を更新している。超高齢社会の進展も影響し、株式や投資信託の残高が増えているなど、高齢者の資産形成のニーズも多様化している。彼らのライフプランのサポート、ライフデザインの「見える化」ができるよう、ポジティブな金融サービス対応について解説した。
エフピースマイル代表 CFP® 中山 弘恵
特別研究1 「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」及びQ&A改定の解説~後編
「中小企業の事業再生等に関する研究会」の座長として、「中小企業の事業再生等に関するガイドライン」「中小企業の事業再生等に関するガイドラインQ&A」を改定する任にあたった筆者が、2回にわたり改定ポイントを解説。今月号はQ&Aの改定について解説する。
長島・大野・常松法律事務所 弁護士 小林 信明
特別研究2 FATF第五次対日相互審査を想定したマネロン対応とマネロンガイドラインFAQの改訂
2021年8月に公表されたFATF第4次対日相互審査で、日本は先進国としては不合格である「重点フォローアップ国」の評価を受けた。次回第5次審査では、合格に相当する「通常フォローアップ国」となることが求められる。本稿では、次回審査を想定したマネロン対応と「マネロン対策・テロ資産供与ガイドラインに関するよくあるご質問(FAQ)」(以下「マネロンガイドラインFAQ」)の改訂による継続的顧客管理の実務対応を解説する。
三宅法律事務所 弁護士 渡邉 雅之
その他
●未来を見据える金融戦略:TNFDが示す新たなる方向性
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社
サステナブルビジネス戦略センター長 奥野 麻衣子
●将来予測情報に対応する償却・引当と会計基準の開発動向
有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 藪原 康雅/公認会計士 吉村 拓人
●新任役席者に必須となる「タイムマネジメント」術
有限会社ビズアーク 代表 水口 和彦
●連載 金融不祥事 転落の「死角」
第47回 通帳繰越を悪用して預金の着服を繰り返した「死角」
公認不正会計士(CFE) 井上 享
●私的整理における各種ガイドライン活用の留意点
渡邊 博己
●法人融資における融資先の代表者の定めに係る留意点
片岡総合法律事務所 弁護士 松澤 瞭
●抵当物件、不動産の処理における留意点
旗田 庸
連載
▼ニッチビジネス研究(第85回)
――督促・回収のDX~Lecto株式会社
本誌編集部
▼DE&I時代の女性活躍推進(新連載・第1回)
――決算書のチェックポイント②
TCHコンサルタンツ株式会社 代表取締役 石川 英文
▼連載ドラマに見る仕事の盲点~管理・回収~(新連載・第1回)
――初めて書いた債権届出書
明智 孝
▼事業再生・事業承継支援専門家からの現場報告(第60回)
――企業の経営改善のためのロカベンシートの活用
企業再建・承継コンサルタント協同組合(CRC)
今月の指針
金融商品販売ボラティリティと金融機関の役割/融資取引商品説明の重要性と記録の重要性/店内事務営業店におけるマネロン対策の「盲点」/金融法務インパクト投資に関する基本的指針の策定
巻頭言 地域金融機関が取り組む中小企業のDX支援
神戸学院大学 経営学部 教授 石賀 和義
金融行政キーワード
B5判・96頁
特集 営業店のカーボン・ニュートラル「ビジネス」
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