M&Aは、企業の成長戦略の実現や、中小企業の事業承継のために極めて有効な手段であることが多くの企業に認識され、地域金融機関が果たすべき役割への期待も高まっています。
こうした背景の下、本書は、地域金融機関がM&A業務を推進し、顧客開拓を図る際の具体的な実務指針となることを目的とし、とくに事業承継目的M&Aの背景・目的とこれを円滑に進めるための具体的な実務の要点を三部構成で詳解しました。難解な用語や専門家向けの表現は避け、M&A業務を推進していくうえで必要とされる顧客への対応や、必要な手続きと手順について、具体的かつ平易に記述しました。
本書は、法人営業のベテランから若手まで、幅広い階層を対象とした「M&A業務の真髄」がわかる必携書。
「M&A業務の新人」に是非とも奨めたい1冊!
●M&Aは取引先にとっても身近なもの
「M&Aは大手企業・ファンドによるマネー・ゲーム」といった思い込みを拭い去り、M&Aが自店の取引先とは無縁の世界ではなく、むしろ中小企業の経営に密接に関係している取引であるということを、丁寧に解説しました。
●M&Aは収益拡大の好機
M&A業務推進の目的は、顧客のためだけでなく、自らの業務機会を捕捉することにあります。そこで求められるのは、情報・サービス機能を統合した垂直的な分業体制です。事業承継目的のM&Aによっていかに顧客開拓を実現していくか、本書はそこに力点を置きました。
●M&Aは常識的な判断の積み重ね
M&Aは、専門性が高く、税務や法務の塊のような業務と誤解されています。しかし、実際に最も重要なのは売買当事者の意向であり、その進行過程は常識的な判断の積み重ねです。このことをしっかり理解すれば、M&Aへの拒否反応は排除できます。
湊 雄二 著
A5判・並製・272頁・平成27年1月発行