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企業再建ADRの仕組みと活用法

企業再建ADRの仕組みと活用法

■企業再建・承継コンサルタント協同組合(CRC)/中小企業経営再建紛争解決センター 著

A5判・並製・176頁・平成29年11月発行

商品コード:111145604
販売価格(税込) 1834 円
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~新たなる金融調整手法の登場~


 「中小企業金融円滑化法」(当時)はリスケジューリングによる企業救済・再建で一定の成果を上げましたが、一方で「リスケの繰り返しで経営改善が進まず、不採算事業は温存されたまま」という企業も相当程度産み出しました。しかし、「ダメな会社は潰してしまって、融資の貸倒れ分は引当金を使って無税償却で経費処理」といった安易・ドラスティックな手法を取ることができないのが地域金融機関であり、結果として過大な負担を強いられていると考えられます。この、いわゆる「出口問題」を解決する1つの手段として登場したのが、法務省が2017年2月に認証した「企業再建ADR」という仕組みです。

本書はこの仕組みの全体像を明らかにし、実際の手続手順を詳しく解説するものです。金融機関の本部担当部署はもちろん、営業店にも常備しておくべき1冊です。


小規模企業再建の出口戦略に有効活用

●新たな金融調整手法の登場

企業再建ADRは、中小企業再生支援協議会や、特定調停などの法的仕組みを担っている簡易裁判所などを補完し、かつそれらと協調するスキームを提供しますが、その特性から、従来は実現できなかった金融調整方法を実現します。すなわち誰も描けなかった「出口戦略」を本書は提供します。

●全関係者が利益を享受する関係に

中小企業支援を自らの存続基盤を脅かすことなく実現したい地域金融機関、債務超過に悩む経営不振の中小企業、破産の恐怖に怯える経営者や家族、失業を恐れる従業員、連鎖倒産のリスクを回避したい取引先、こうした全関係者に利益をもたらす関係になるスキームが企業再建ADRです。担当者の有効活用が求められます。

●制度活用マニュアルとしての1冊

本書は企業再建ADRの事業主体自らが、仕組みと活用法を解説するものです。具体的な活用シーンの紹介や細かな規程の解説を行っていますので、本書はいわば「制度活用マニュアル」として利用可能です。

(主要目次)

第1章 裁判外紛争解決機関としての企業再建ADRとは?

1.ADR 一般の解説

2.ADR の三類型と紛争解決への考え方

3.法務省認証ADR の意義と種類

4.企業再建ADR の位置付け

5.企業再建ADR の構造

6.企業再建ADR の特性と他の手続との併用

7.企業再建以外への応用



第2章 中小企業の経営再建の歴史と変化

1.企業再建と事業再生の歴史

2.静的視点と動的視点

3.経済合理性と当事者の気持ち

4.私的整理の問題点



第3章 様々な企業再生手法と支援組織

1.法的整理

2.私的整理ガイドライン

3.中小企業再生支援協議会

4.地域経済活性化支援機構(REVIC)

5.事業再生ADR

6.特定調停

7.新たな手法としての企業再建ADR

8.他の法務省認証ADR

9.債権者・債務者の税務上の取扱い



第4章 企業再建ADR 活用想定事例集

事例1 リスケジュール合意スキーム

事例2 自主再建支援のための債権放棄スキーム

事例3 事業承継支援のための連帯保証圧縮スキーム

事例4 組織再編スキーム

事例5 サービサー&投資ファンド+ターンアラウンドマネージャー活用スキーム

事例6 民事信託活用スキーム



第5章 企業再建ADR 規程集と解説

1.設置規則〈中小企業経営再建紛争解決センター設置規則〉

2.手続実施規程〈中小企業経営再建紛争解決センター調停手続実施規程〉

3.文書管理規程〈中小企業経営再建紛争解決センター文書管理規程〉

4.料金規程〈中小企業経営再建紛争解決センター料金規程〉

5.構成員適格性判定のための細則〈中小企業経営再建紛争解決センター構成員適格性判定のための細則〉



第6章 企業再建ADR に関するQ & A

Q1.企業再建ADR とCRC との関係は?

Q2.どのような案件が対象なのですか?

Q3.債務者側の要件は?

Q4.全国どこにある企業でも申立てができますか?

Q5.調停手続は何処で行われますか?

Q6.手続実施者とは何ですか?

Q7.手続実施者の候補者名簿には、どのような人が掲載されているのですか?

Q8.対象企業の範囲は決まっていますか?

Q9.調停手続には誰が出頭すればよいのですか?

Q10.申立人には誰がなるのですか?

Q11.債権者側が複数の場合でも対応可能ですか?

Q12.手続実施者はどのような人が選任されますか?

Q13.債務者企業にコンサルティング等で関わった人が手続実施者に選任されることはありますか?

Q14.調停手続は何回まで実施されますか?

Q15.和解が成立した場合には、どのような書類を貰えるのですか?

Q16.和解が成立した場合、どのような法的効果が生じますか?

Q17.強制執行力や税制優遇措置が必要な場合にはどうすればよいですか?

Q18.即決和解や特定調停の場合は弁護士代理人を付ける必要がありますか?

Q19.ADR の現場に出頭できない場合、テレビ会議などによって出頭に代えることは可能ですか?

Q20.費用は誰が支払うのですか?

Q21.申立人ではない、例えば連帯保証人の債務に対する調整も可能ですか?

Q22.手続実施者などの名簿を見ることはできますか?

Q23.ADR 室はどのような場所になっていますか?

Q24.今後、申立人や取り扱う事案の対象を拡大したり、さらに機能を強化する予定はありますか?



巻末資料 企業再建ADR 紹介資料